所有者の管理(点検、非常時の処置等)
所有者(管理者)の管理業務
エレベーターの所有者又は管理者の役割については、平成28年2月に国土交通省が公表した『昇降機の適切な維持管理に関する指針」をご覧ください。主な事項は次のとおりです。
定期点検・整備の実施
所有者又は管理者はエレベーターを常に適切な状態に維持管理するとともに年1回検査を行い、その結果を特定行政庁に報告するよう法令で定められています。このようにエレベーターは専門技術者による定期的な保守・点検を必要とします。また、その定期検査報告書等の写しなどの保守・点検に関する文書等は3年以上保管することが義務付けられています。
製造メーカーの保守体制について
製造メーカーならではの豊富なノウハウと最新の技術により、お客様の大切な財産を最適な状態に維持するための保守、点検、部品調達システム、緊急出動体制を整えています。
日常管理について<トラブルを未然に防止するために>
1.点検
1往復の試運転を行い、次の内容を点検、確認してください。なお、異常があるときは、保守点検業者に連絡してください。
点検箇所 | 点検内容 |
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運転状態 | 起動、停止までの間に異常音・振動がないこと。 また、かごとのりばの床面に異常な段差のないこと。 |
操作盤 (のりば、かご) |
ボタンに破損はなく、正常に動作点灯すること。 位置、方向灯が点灯すること。 |
インターホン | 正常に通話できること。 |
戸 | スムーズに開閉すること。 戸が閉まりつつあるときにドアセーフティシューを押すと、戸が開くこと。 |
照明、換気扇 | 照明が切れていたり、ちらついていないこと。 換気扇に振動や異常音のないこと。 |
警告ラベル ステッカー |
破れ、はがれ、汚れのないこと。 |
2.清掃のしかた
かご操作盤・のりば・インジケータ・ボタン
- 乾いた柔らかい布で拭く
(よごれが取れないときは、薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き取った後に水拭きをしてください。)
お願い・・・ボタン内部に水や洗剤を染み込ませないでください
戸・かご内の側板・三方枠
- 乾いた柔らかい布で拭く
(よごれが取れないときは、薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き取った後に水拭きをしてください。) - エッチング、つや消し仕上げ面があるときは、粉末洗剤を使用しないでください(表面を傷つけます)。
床タイル
- ちり・ほこり・どろ・よごれなどをほうきで取り除く
(かご内の床は水を使っての洗い流しはしないでください。よごれが取れないときは、薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き取った後に水拭きをしてください。) - 床にかご床マットを敷いている場合は、外に出して清掃し、乾燥させてから再び敷く
- 昇降路内に、ごみや水などを落とさないでください。
しきい
- 戸開放機能により戸を開放した後、溝にたまったごみ・小石・どろ・よごれなどを取り除く
(よごれが取れないときは、薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き取った後に水拭きをしてください。) - 昇降路内に、ごみや水などを落とさないでください。
お願い・・・水などの液体をかけないでください。故障の原因となります。
3.非常時の処置のしかた
かご内に閉じ込められたとき | インターホンを使い、落ち着いて静かに待つよう伝える。適切な処置をしつつあること、窒息のおそれは全くないことを伝える。 |
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保守点検業者に連絡する。 | |
地震が発生したとき | インターホンを使い、全ての行先階ボタンを押し、最初に停止した階で降りて避難するよう指示する。 |
地震がおさまってから、かご内に乗客がいないことを確認し、運転を休止する。 | |
保守点検業者に連絡する。 | |
火災が発生したとき | インターホンを使い、乗客に降りて避難するよう指示する。 |
かご内に乗客がいないことを確認し、運転を休止する。 | |
保守点検業者に連絡する。 | |
停電したとき | インターホンを使い、乗客に落ち着いて静かに待つよう伝える。 |
停電の状況を確認する。
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停電予告があったとき | 事前に(張り紙などで)利用者に運転休止を知らせる。 |
停電する前に運転を休止する。 | |
停電が復旧した後、運転を再開する。 | |
台風、集中豪雨が近づいたとき | 大雨などで水がかかると、感電、故障の原因となるため、すぐに休止する。 |
事前に(張り紙などで)利用者に運転休止を知らせる。 | |
最上階にて運転を休止する。
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台風通過後
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注)非常時の処置の詳細は、各メーカーの取扱説明書を参照してください。