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会長 魚津 彰

会長 魚津 彰

 一般社団法人リビングアメニティ協会(ALIA)は、1976年に設立された優良住宅部品(BL部品)の開発・普及を目指すBL推進協議会を前身とし、1990年の発展的改組、2012年の一般社団法人化を経て、住宅部品・住空間に関わる広範な活動を展開してまいりました。住宅設備および建材に関わる企業・団体が力を結集し、「良質な住宅部品の供給・普及」と、「住宅部品の点検を核とした優良住宅ストック社会実現への貢献」を目指しています。

 現在、住宅業界を取り巻く環境は、かつてない激動のさなかにあります。とりわけ懸念されるのが、緊迫の度を増す中東情勢の動向です。中東地域における不安定な情勢は、原油や天然ガスの価格高騰を招くだけでなく、物流コストの増大や原材料の供給不足を引き起こします。これらは住宅投資への悪影響を及ぼす懸念材料となり、サプライチェーンに対しても極めて深刻な影を落としています。こうした不透明な世界情勢の中にあって、資材・エネルギーコストの高騰に耐えうる強靭な産業構造の構築と、消費者への安定的な提供を両立させることは業界を挙げた重要課題であると認識しています。

 一方国内では2026年3月に新たな「住生活基本計画」が閣議決定されました。2050年を見据え、市場機能の進化を通じて住宅ストックの価値を最大限に活用し、人生100年時代の住生活を支える基盤を再構築していく方向性が明確に示されました。当協会においても、この国の方針を受け、「ALIA中期活動計画(2026~2030年度)」を策定し、次なる5年を見据えた確かな一歩を踏み出します。

 中東情勢に端を発するエネルギー不安を克服するためにも、2050年カーボンニュートラルやZEHの普及は、社会全体で取り組むべき喫緊の課題です。今年度の事業計画では、住宅省エネ2026キャンペーンをはじめとする国の支援策を最大限に活用し、断熱性能に優れた外皮仕様や高効率な設備の普及を推進することを掲げております。

 さらに、昨今重要なテーマとなっているのが「ライフサイクルカーボン(LCC)」削減への対応です。住宅部品の製造、施工、そして廃棄・リサイクルに至る全過程でのCO2排出量を適切に評価し削減していく取り組みは、これからの住まいづくりにおける新たなスタンダードとなります。関連団体等との連携を強めることで、地球環境に真に貢献できる持続可能な住生活の実現を目指してまいります。

 住生活を取り巻く課題は、少子高齢化や労働力不足など、社会構造の変化と密接に関係しています。当協会は2020年に制定した「住宅部品×SDGs宣言」に基づき、これら社会課題の解決を事業の柱に据えています 。特に「ALIAこども応援プロジェクト」は、SDGsの目標年である2030年まで継続する“第2ステージ”へと移行いたしました。こども食堂への支援などを通じ、住宅産業の持続的発展と社会貢献を両立させてまいります。

 また安全・安心な住まいを次世代に引き継ぐためには、適切な「お手入れ・点検」が欠かせません。10月10日の「住宅部品点検の日」を中心に、ポータルサイトの拡充や普及啓発活動を通じて、住宅を長く大切に使う文化を社会に浸透させ、良質な住宅ストックが循環する社会を形成することは重要な活動となっています。

 当協会は、国土交通省をはじめとする関係省庁や関連団体、そして会員企業の皆様との連携を一層強化し、社会から真に必要とされる存在を目指してまいります。皆様の温かいご支援と、各部会・委員会等への積極的なご参画を心よりお願い申し上げます。