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住宅部品の基礎知識 アメニティCafe *2024年度版

補助手すりの性能

補助手すりの設置については、建築基準法では第三節階段第二十五条で階段及びその踊場の手すりの設置要件に対してのみ言及されています。
しかし、取付位置(高さ)等については、具体的には明記されておらず、手すりの使用対象者等に応じて設計者が設定している場合がほとんどです。このため、ここでは補助手すりの一般的な設置状況に関して記載しています。

歩行補助手すりの高さ

多数の人が利用する建物では

お年寄りを含め大勢の人が使う歩行補助手すりの高さは床から75~85cm程度です。特にお子さんや背の低い方、車椅子でスロープを移動される方には60~65cm程度の手すりを追加した2段手すりが適してます。

歩行補助手すりの高さ

住宅やお年寄りの集まる施設では

歩行移動が制約されるお年寄りの方など、それぞれに使いやすい高さがあります。自宅などで使う手すりの高さは、本人の使いやすい高さに合わせると良いでしょう。標準的には、75~80㎝程度(※)です。
✳︎平成27年度版 木造住宅工事仕様書(住宅金融支援機構)より

住宅やお年寄りの集まる施設の場合 住宅やお年寄りの集まる施設の場合

動作補助手すりの高さ・位置

動作補助手すりは、浴室・トイレ・玄関など住宅の様々なところで使われます。それぞれの場所で、手すりを必要とする方の使いやすい高さや位置に合わせると良いでしょう。標準的な設置位置は次の通りです。

玄関

玄関では、履き物を履いたり脱いだして、上がり框の段差を昇り降りします。また、ベンチをおいて立ち座りをする場合もあり、これら体重の上下移動を支える縦手すりが必要です。さらに、土間の水平移動には横手すりが使われます。基本的には、上がり框の脇に縦手すりがあると段差の昇り降りが安全で、特にL型手すりが便利です。

玄関

トイレ

トイレでは、後ろ向きに廻って腰掛けたり、立ち上がったりする体重の上下移動のために縦手すりが使われます。また、横手すりは、腰掛け姿勢を保つのに役立ちます。したがってトイレでは、立ち座りと座位保持にL型手すりが便利に使われます。また、正面の壁に手の届きやすい横手すりや縦手すりがあっても、立ち座りに効果的です。

トイレ

浴室

浴室では足元が滑りやすく転倒事故を防ぐため、洗い場では立座りの動作のために縦手すりが必要です。また洗い場での歩行には横手すりが身体を保持し、浴槽に出入りする際には浴槽と洗い場の間に縦手すりが非常に役に立ちます。また浴槽内での立ち座り身体の姿勢保持にはL型手すりが便利です。

浴室 浴室

洗面脱衣室

脱衣室は、水濡れで足元が滑りやすいため、ドアの脇に縦手すりの設置が身体のささえに有効です。

洗面脱衣室

廊下ドア

ドア開閉時に身体を支えるためには、ドアの両側に縦手すりもしくはL型手すりを取付けると有効です。

廊下ドア

補助手すりの強度 (BL認定のために必要な強度)

歩行補助手すり(壁支持型)の水平・鉛直荷重試験

歩行補助手すりは、壁に相当する模擬躯体に取り付けた手すりのレールの中央に1スパン1800mm以下の場合は1,150N、1スパン1800mmを超える場合はスパン長さをLmmとして、1150L/1800Nの水平・鉛直荷重をかけ、レール及び取付金物のガタツキ、外れ、ひび割れ、破壊やレールの有害な変形を生じないこと。また、295N/スパン時のレールのたわみ量は、20mm以下かつスパンLの1/100以下であること。
なお、改修用墜落防止手すりの選択構成部品となる歩行補助手すりの場合は、壁に相当する模擬躯体に替えて、当該墜落防止手すりの支柱に取り付けた状態で試験を行うこと。

歩行補助手すり(床支持型)の水平荷重試験

歩行補助手すりは、床に相当する模擬躯体に取り付けた手すりのレールの支柱と支柱の中央又は支柱頂部に1スパン1800mm以下の場合は1,150N、1スパン1800mmを超える場合は、スパン長さをLmmとして、1150L/1800Nの水平荷重をかけ、レール、支柱及び取付金物のガタツキ、外れ、ひび割れ、破壊やレールの有害な変形を生じないこと。また、295N/スパン時のレール中央又は支柱頂部のたわみ量は20mm以下かつ支柱高さHの1/50以下であること。

歩行補助手すり(床支持型)の鉛直荷重試験

歩行補助手すりは、床に相当する模擬躯体に取り付けた手すりのレールの中央に1スパン1800mm以下の場合は1,150N、1スパン1800mmを超える場合は、スパン長さをLmmとして、1150L/1800Nの鉛直荷重をかけ、レール、支柱及び取付金物のガタツキ、外れ、ひび割れ、破壊やレールの有害な変形を生じないこと。また、295N/スパン時のレールのたわみ量は20mm以下かつスパンLの1/100以下であること。

動作補助手すりの水平・鉛直荷重試験

動作補助手すりは、壁に相当する模擬躯体又は浴室パネルに取り付けた手すりの1端部及び中央部に590Nの水平・鉛直荷重を順次かけ、レール及び取付金物のガタツキ、外れ、ひび割れ、破壊を生じないこと。

動作補助手すりの変形試験

動作補助手すりは、固定用鋼材に取り付けた手すり中央部に590Nの荷重をかけ、荷重を除去した後のレールの残留たわみが、スパンLの1/500以下であること。

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