file-text-o file-pdf-o file-word-o file-excel-o file-powerpoint-o sticky-note-o clone

住宅部品の基礎知識 アメニティCafe *2024年度版

防火性

防火性とは

防火性とは建築物の火災に対する安全性のレベルを表わす性能です。
建築基準法、建築基準法施行令、建設省告示※等で詳細に規制されています。
なかでも、耐火建築物、準耐火建築物や防火地域又は準防火地域にある建築物の外壁で、延焼のおそれのある部分の開口部については、炎を遮り延焼を防止するために、「防火設備」(防火戸)の使用が義務づけられています。
※ 防火性関連の告示は平成12年5月に建設省から公布されています。平成13年1月6日付の省庁再編成により、建設省は国土交通省に統合されています。

防火設備の種類

防火設備には、使用の目的と場所によって次の種類があります。

  • 特定防火設備
    火災の拡大を防止するものであり、防火区画や防火壁の開口部、外壁の開口部、避難階段の出入口部分などに用いられています。
  • 防火設備
    主として、開口部の延焼防止を目的として、防火区画の一部や外壁の開口部などに用いられています。
    ※法令等で防火設備と呼ぶ場合、特定防火設備を含んだ総称として、防火設備と呼びます。

防火設備の規定

防火設備は、政令で定める技術的基準に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるか、国土交通大臣の認定を受ける必要があります。

防火設備の規定

  • 仕様規定(建設省告示 – 例示仕様)
    所定の性能が確保できる構造として、建築基準法及び同施行令並びに告示により、構造方法が定められたものである。よって、この構造方法に準じていれば、試験による性能確認等は特に必要とされません。
  • 性能規定(大臣認定 – 個別認定)
    仕様規定(例示仕様)で示されている構造から外れるもので、仕様規定と同等の性能があるものとして、国土交通大臣の認定を受けたものです。

防火設備の技術的基準

防火設備は、建築基準法及び建築基準法施行令により、その性能についての技術的基準が規定されています。

種類 特定防火設備 防火設備 防火設備
技術的基準 令第112条第1項
(屋内外加熱)
令第109条の二
(屋内外加熱)
令第136条の二の三
(屋外加熱)
火災の種類 建築物の屋内または周囲で発生する通常の火災 建築物の屋内または周囲で発生する通常の火災 建築物の周囲で発生する通常の火災
加熱時間及び要件 加熱開始後60分間加熱面以外の面に火炎を出さない 加熱開始後20分間加熱面以外の面に火炎を出さない 加熱開始後20分間加熱面以外の面に火炎を出さない
関連告示(例示仕様) 建告第1369号 建告第1360号 建告第1366号
大臣認定(個別認定) EA EB EC
主な設置場所 令第112条 法第2条第九号二ロ 法第64条
防火区画 耐火建築物または準耐火建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分 防火地域または準防火地域の建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分

※「建築基準法」は「法」と、「建築基準法施行令」は「令」と略します。
 (防火性の章において、以下同じ)

●平成27年6月に建築基準法が改正され、木造建築(準耐火構造)関連の基準の見直しがおこなわれました。
 改正ポイントは以下の通りです。

  • 法第21条(大規模の建築物の主要構造部等関連)改正
    3000㎡を超える建造物を3メートル以上の幅のRC造等の火災の発生しにくい室をエクスパンションジョイントで連結したり、耐火性の高い壁等(防火設備含む)で3000㎡以内毎に区画すれば、木造(準耐火構造)でも可能となりました。
    この場合、連結部等開口部には特定防火設備(一部新たに構造方法が追加)の設置が必要になりました。
  • 法第27条(耐火建築物等としなければならない特殊建築物)改正
    3階建ての学校等が天井の不燃化又は庇・バルコニーの設置等により木造(準耐火構造)の建築物とすることが可能になったが、従来の外部からの延焼に加え、内部の火災が開口部からの噴出火災により、同一建物の他の開口部に延焼の恐れがある範囲にある場合は、その開口部は防火設備(外部側からのみの防火設備)とすることが必要になりました。
PAGE TOP