一般社団法人リビングアメニティ協会(ALIA)は、暮らしを支える住宅部品のメーカー等の集団として、 「誰一人取り残さない」を基本理念として全ての人の生活の豊かさを目指すSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)の達成に貢献することは、重要な使命と考えています。
ALIAでは2つの観点から、SDGsに貢献していきます。
取組の経緯 ~モノづくり分野だけでなく、社会問題分野への貢献へ向けて~
ALIAと会員企業は、これまで、モノづくりを通じて、省エネ、節⽔、健康など多くの分野で、SDGs達成に貢献してきました。(下記「これまでの取組」参照。)会員企業のSDGs達成への取組状況については、2020年と2022年にアンケート調査を行った結果、全体として、2020年から2022年にかけて、取組の位置付けや具体的取組数は大幅に増加・強化されています。
一方で、「モノづくりを通じた取組」だけでは貢献に限界がある「貧困」「飢餓」「平和と公正」などの社会問題分野での取組は限定的でした。
このため、社会問題分野での貢献を目指して、モノづくりを超えた新たな取組を始めることとし、「こども家庭庁」の設置(2023年4月1日)などを踏まえ、「ALIAこども応援プロジェクト」と称し、「こども食堂」への支援を、2022年度からスタートしています。
会員アンケート結果の概要
ALIAと会員企業の これまでの取組
①給湯設備の高効率化(省エネ等)
- 2050年カーボンニュートラル実現に向けて、住宅における一層の省エネが求められています。
住宅におけるエネルギー消費量の約3割を占める給湯設備は、2000年以降、劇的に省エネ化が進展しています。 -
- 2000年:エコジョーズ(潜熱回収型ガス給湯器)
- 2001年:エコキュート(自然冷媒CO2ヒートポンプ式給湯機)
- 2006年:エコフィール(潜熱回収型石油給湯機)
- 2009年:エネファーム(家庭用燃料電池コジェネレーションシステム)
- 2015年:エコジョーズとヒートポンプユニットを組み合わせた
ハイブリッド給湯暖房システムなど
- ALIAとしても、会員企業や関係団体とともに、高効率給湯機の普及活動を展開しています。
②窓の熱性能の向上(省エネ・健康等)
- 住宅における屋外との熱の出入りのうち、窓などの開口部からのものが過半を占めます。(下図参照)
- 冷暖房の省エネには、窓の熱性能向上=熱の出入の抑制が有効です。
- 1980年代からサッシの断熱化が進められ、2020年の出荷量は、素材別では熱伝導が少ない樹脂サッシとアルミ樹脂複合サッシが8割超、ほぼ全てに複層ガラスを取付、Low-Eガラス(低放射ガラス)が85%程度と、断熱化が著しく進展しています。
- 2050年カーボンニュートラル実現に向けた既存住宅の断熱性能の向上を図るため、既存サッシの内側に樹脂製サッシを取り付ける「断熱内窓」設置工事など、断熱リフォームを促進。居住したまま1日程度で完成の例もあります。
- 窓の断熱性能の向上は、エネルギー使用量の抑制のみでなく冬の冷気を防ぐなど居住者の温熱環境の向上に寄与し、健康・快適な暮らしを実現。
- ALIAも参画している「住宅における良好な温熱環境実現推進フォーラム」では、適切な温度で健康で安心して暮らせる住まいを実現し、普及していくため、住宅関連業界が協働して取り組んでいます。
- 省エネ基準等への適合判定には、各商品の熱特性・設計内容に応じた緻密な計算が必要です。
- 2012年にALIAで「WindEye」というプログラムを開発しました。
- 窓のサイズ、サッシ(フレーム)・ガラス等のメーカー・商品等を選択すると、窓全体としての熱貫流率等を算出できます。
- 窓の熱性能を評価する国内唯一のプログラムであり、ALIAのホームページ上で、フリーソフトとして公開中です。
- 各商品の熱性能等は技術審査済みのため、計算結果は、省エネ基準や住宅性能表示制度の適合判断に利用可能です。実験等は不要です。
③トイレの節水化等(節水・省エネ等)
- トイレの洗浄水量(大使用)は、1970年代の約13リットルから、2020年代には5リットル以下が主流となり、節水率は6割超。
- 「節水」は、上水の取水・浄水・配水と、下水の浄化等のための使用エネルギーの抑制を通じて、気候変動対策に寄与。
(住宅におけるエネルギー消費量にはカウントされていない。) - 節湯水栓(シャワーヘッド等)は、「節水」とともに、お湯を作るための使用エネルギーも抑制。
- ALIAとしても、会員企業や関係団体とともに、これらの機器の普及活動を展開。
④住宅部品の長寿命化(安全・廃棄物削減等)
- 住宅部品を安全・快適に長期間使えるよう、各メーカーは製品の長寿命化に向けて研究・技術開発を進めています。
- 長期間使用ができれば、ユーザーにとっては経済的であるとともに、環境にとっては取替サイクルが長くなり廃棄物の削減にも寄与します。
- しかし、工業製品である限り、経年劣化は避けられません。
- 一般的に、故障発生率は、一定の期間を経過すると、急激に増加する傾向にあります。
- 突然の故障や事故発生は、生活利便性の低下や、修理・取替等の不満が残ることになりかねません。
- ALIAでは、このような状況を回避するため、住宅部品の日常的な点検を推進しています。
※詳しくは、「住宅部品点検スペシャルサイト・ジュウテン」をご覧ください。
SDGsとは?
持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)は、2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された国際目標。17のゴールと169のターゲットから構成。基本理念は「誰一人取り残さない」こと。
SDGsの詳細は、外務省の下記ページでご覧になれます。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html